2020.02.03 「いきなり本読み!」REPORT
大盛況のうちに終わった第1回「いきなり本読み!」。
ご来場いただいたみなさま、誠にありがとうございました!
前売りチケットは完売、わずかに出た当日券も即完と、本当にたくさんの方にお越しいただきました。
初めての試みに我々スタッフもドキドキしていましたが、楽しんでいただけましたでしょうか?
企画が立ち上がったのは2019年の年末ごろ。
「出来上がった作品を観るより、稽古場のほうが絶対面白い!」
「一日だけ俳優を集めて、お客さんの前で本読みがしたい!」
岩井さんのそんな言葉から「いきなり本読み!」の構想は始まりました。
通常の演劇であれば、1ヶ月以上の稽古を積んで演出をつけていきますが、この「いきなり本読み!」では一発勝負。
照明も音響もない舞台上で、初見の台本をお客さんの前で読み合わせる…
出演する俳優はまさに「裸一貫」で挑まなければならないのです。
きっとこれまで体験したことがないであろう、一体どうなってしまうのか想像もつかないような企画を、
今回の5名の出演者の皆さんは快く引き受けてくださいました。
岩井さんから直々にオファーをし、それぞれが多忙なスケジュールの中(皆川さん、神木さん、岩井さんは舞台『キレイ』の大千秋楽翌日!)、
一夜限定だからこそ実現したキャスティングでした。
こんなに豪華なメンバーが揃うことってなかなかないですよね…!
今回のお題となった台本は、ハイバイの人気作品「おとこたち」。
5名の出演者が決まった時点で使用する台本についても決めていきました。
「戯曲そのものの面白さを伝えたい」ということもこの企画のテーマのひとつ。
「初回は岩井さんが書いた作品を使用するのが良いのでは」
「全編を通すか、一部を抜粋して1シーンを繰り返してみるか」
「スクリーンにどんなふうに映したらお客さんも観やすいか」
などなど、様々な視点から台本とその見せ方について議論が繰り返されました。
その結果、今回は「おとこたち」の数シーンに決定しましたが、さすがは人気作品。
岩井さんから発表された瞬間、客席から「おぉ〜」という声が上がっていましたね!
いざ本読みが始まると、文字だけの情報から、5名それぞれが違った角度からアプローチしていき、
あっという間に役に入り込んでしまう様子は圧巻。
神木さんが言っていた「音引きが『ー』なのか『〜』でシリアスかコメディかを考え、ニュアンスを変える」
という本読み技術も垣間見えました。
さらに、初見で読んだあとに岩井さんからそれぞれの役についてキャラクターの背景が説明されると、
2回目に読む際には一気に深みが増していき、キャラクター像が立体的に浮かび上がります。
演出家の意図を一瞬で解釈して表現できてしまう、俳優陣の瞬発力の高さよ…!
途中、後藤さんが勢い余って皆川さんの「津川」役の台詞を食ってしまうというハプニングもありましたが(笑)、
読み間違えや台詞がかぶってしまうミスも、俳優さん的には「本読みあるある」なのだそう。
稽古場さながらの臨場感、普段なかなか見られない瞬間ですよね。
序盤はテンポの良い、コメディタッチなシーンが続いていましたが、21場ではそれまで沸いていた空気が一変しました。
不器用が故に理不尽にも映ってしまう男・鈴木役を皆川さん、
鈴木の息子・太郎役を神木さん、鈴木の妻役を岸井さんが演じ、家族にとって辛い記憶となる1シーン。
作品の中でも印象的なシーンですが、3名は見事に演じきり、客席は冷たい、重々しい空気に包まれました。
スタッフのわたしはこのとき廊下で声だけ聞いていたのですが、あまりにリアルなやり取りが本当に恐くて鳥肌がたちました…。
約2時間半のイベントでしたが、見どころがあふれまくっていた「いきなり本読み!」。
観ていただいた方には「俳優」「台本」「演出」というそれぞれの役割が絡まり合いながら
目の前でドラマが立ち上がっていく瞬間を感じてもらえたのではないでしょうか。
SNSではたくさんの感想もいただくことができました。
終演後「『ワレワレのモロモロ』に続くライフワークとなった」と岩井さんが言っていたように、
今後シリーズ化して続けていく予定です!
次回はどんな俳優が参加し、どの台本に挑むのか…第2回の開催に乞うご期待ください〜!!
★先日ご来場いただけなかった方に朗報です!
2月23日(日)渋谷ロフトヘブンにて、第1回目の「いきなり本読み!」をフィードバックするイベントの開催が決定しました。
岩井さんと一緒に、当日の映像を観ながら振り返っていきます。
都合が合わず来られなかった方、後から知って面白そうだなと思った方、当日参加したけどもう一回観たいなという方、
ぜひぜひご参加ください!
詳細はこちら