岩井秀人よりコメント
どうも!岩井です。よく来ましたね!皆様!この「いきなり本読み!」は、僕が俳優として舞台に出てて思った、「これ、本番より稽古の方が面白くないか?」という感覚を元に立ててみた企画です。
舞台の稽古って、本当にいろんなことが起きます。台詞(セリフ)間違える、俳優が出てくるはずのところで出てこない、漢字が読めない、演出家と俳優のイメージが共有できない、などなど、「ああ、人間ってほんと未完成なんだなあ」としみじみ思える事故が多々起きるわけです。
もちろんそれらは、台本の世界を立ち上げようと頑張っている最中に起きることで、お客さんたちは通常、そういった試行錯誤の末になんとか「本番」としてまとまったものを観ている訳です。僕個人としては、そんな整えられた「本番」よりも「稽古」を観たいと。
台本を中心にした作品が「本番」だとしたら、台本だけでなく、俳優の生態や俳優と演出家のやりとりと欲望を中心にした作品は「稽古場」なんじゃないかなとも思ったりします。台本もある程度は伝わるでしょうし。作品といっても、全く再現性のない作品になります。なんせ俳優さんたちは、これから自分たちがどんな台本を読むのかも知らされていないのですから。
ということで、どうなるかわかりませんが、この面々でこの台本に向き合うのも一回きりですし、なんせ「この台本を全員が初めて読む」ということも一回きりだし、今後一切、「初めて読む」ということは起きないので、その貴重だけどめちゃくちゃになりかねない時間を、お客さんと共有したいと思います。とりあえずやってみます!